Japana Sociala Forumo
98年7月の参院選で自民党は敗北、財政再建を唱えながら消費税引き上げ後の景気後退をうけて最後には減税路線(借金拡大)に切り替えた橋本内閣は退陣しました。このとき不況対策が与野党問わず重要な課題だったため財政再建(緊縮財政)が敗因ということになり、小渕内閣は積極財政に打って出ました。年末には全国の焼却施設整備補助金の増額(1/4→半額)が決定されるなど「特需」は更に拡大することとなりました。
99年3月30日、ダイオキシン対策関係閣僚会議で決定された<ダイオキシン対策推進基本指針>は「所沢産野菜は安全だが、ダイオキシン対策は内閣を挙げて推進」と謳い、80年代の安全宣言までの政策との違いを見せています。しかしこの変貌も、政府のダイオキシンへの理解が進んだと解釈していいものかどうか。
<ダイオキシン対策推進基本指針>の基本的考え方
① ダイオキシン問題は、将来にわたって国民の健康を守り環境を保全するために、内閣を挙げて取組みを一層強化しなければならない課題である。
② 今後4年以内に全国のダイオキシン類の排出総量を平成9年に比べ約9割削減する。
③ 埼玉県所沢市を中心とする野菜及び茶については政府が実施したダイオキシン類の実態調査により安全性が確認されたところであるが、健康及び環境への影響を未然に防止することを更に徹底する観点から、関係省庁が一体となり、対策をより一層充実し、強化するとともに、ダイオキシン類に関する正確な情報が公開されることにより、国民の不安が解消されることが必要である。
この年、厚生省のダイオキシン対策予算は752億円(前年度625億円)となり、さらに翌年には927億円へと膨張を続けていきます。
7月12日、「ダイオキシン類対策特別措置法」が成立します。10年以上に及ぶ「特需」企画はここに完成しました。表面上はダイオキシン対策なしにはゴミ処理はできなくなりました。
一方、国の責任は基本政策策定や焼却炉設置資金のあっせんなど「基本指針」にかかげた「内閣をあげて」との意気込みに比べずいぶん軽いものでした。また処理についても抜け道が用意されてもいました。
8月になると、神戸製綱、石川島播磨重工業が熱分解ガス化溶融炉で技術評価書を取得するなど、受注体制も確立していきました。この後、各地でゴミ溶融炉、RDF、ゴミ発電などハイテク焼却炉の契約が続きます。
高度成長の時代が終わり、斜陽産業と見られていた重厚長大産業である鉄鋼、造船、重機械工業業界が新たに環境産業として生まれ変わったように見えました。ダイオキシンをテコに新たな産業を創出し、重厚長大産業を再生するという目標は達成されるかに思えました。
しかし、ハイテク焼却炉が金食い虫で、しかもトラブル続きであるという現実につきあたるのに多くの時間を必要としませんでした。
編集/安濃一樹
ヤパーナ社会フォーラム
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